3成分以上の曲面絡み目には、三重点の情報から得られる三重絡み数という不変量が定義される。これは2成分以上の1次元絡み目における絡み数の2次元版といえる不変量である。この論文では、基底ブレイド$a,b$が次数3以上のピュアブレイドである場合、トーラス被覆絡み目$\mathcal{S}_m(a,b)$の三重絡み数を、1次元絡み目$\hat{a}$, $\hat{b}$の絡み数を用いて表した。1次元ブレイド$ab$ の$ba$ への同値変形の過程が三重点の情報を表すことに注目することによって示すことができた。その応用として、$\mathcal{S}_m(a,b)$の最小三重点数の下からの評価を得ることができ、特に最小三重点数が$4n$である例を構成することができた。ここで、最小三重点数とは、その曲面絡み目を表す曲面図式の取りうる三重点の数の最小値のことである。