学習院大学トポロジーセミナー (Topology Seminar, Gakushuin University)


過去のセミナー記録
2013年度のセミナー
(※※世話人:2013.11.〜2014.3: 中村信裕
2013.4.〜2013.10.: 中村伊南沙)

今後のセミナー予定
日時:2014年2月28日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館203号室
講演者:酒井健(日本大学文理学部)
講演題目:Casson-Walker-Lescop invariant, Reidemeister torsion and Dehn surgery
アブストラクト:
今回お話しすることは門上晃久氏(East China Normal univ.)と円山憲子氏(武蔵野美術大)との共同研究の結果です. さて Lens surgery や Seifert surgery の問題に Reidemeister torsion を応用するというアイデアは門上氏によって導入されました. そこで R-torsion にくわえて Casson-Walker-Lescop invariant を併用するならばもっと精度があがると期待されます. 実際『R-torsion と CWL inv. を併用する』ことにより『8の字結び目に $2/q$-surgery したとき $S^2$ を base とする Seifert fibered space が得られるのは $q=\pm 1$に限る』ことが示せたので紹介したいと思います.


日時:2014年1月24日(金)13:30-15:00
場所:学習院大学南4号館203号室
講演者:吉安徹(東大数理)
講演題目:$\mathbb{C}^{n}$の subcritical isotropic submanifold について
アブストラクト:
実$2n$次元 symplectic manifold に対し、$(n-1)$以下の次元をもつ isotropic submanifold をsubcritical isotropic submanifold と呼びます。Lagrangian submanifold は rigid である一方、subcritical isotropic submanifold は flexible であることが知られています。本講演では、Lagrangian submanifold と subcritical isotropic submanifold を比較しながら、$\mathbb{C}^{n}$の closed なsubcritical isotropic submanifold の分類について説明します。

日時:2013年11月22日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館203号室
講演者:粕谷直彦(東大数理)
講演題目:Codimension two contact submanifold について
アブストラクト:
Giroux-Mohsenによってclosed contact manifold上にはcodimension two closed contact manifoldを軸とするcompatible symplectic open book decomposition が存在することが示された。しかし、どのようなcontact manifoldが現れる か、現れないか、についてはあまり知られていない。 講演では奇数次元球面上の standard contact structureへのcodimension two contact embeddingの存在に関するobstruction, surface singularity link等の contact submanifold の具体例、および first Chern classの消えているclosed cooriented contact 3-manifoldは$\mathbb{R}^5$の 何らかのcontact structureに関してcontact submanifold となること、について解説する。


日時:2013年10月4日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館203号室
講演者:中村伊南沙(学習院大・学振PD)
タイトル:絡み目群がランク2の自由アーベル群である曲面絡み目
アブストラクト:
絡み目群がランク2の自由アーベル群である曲面絡み目 が無限個あることを示す。
講演者の先行研究として、絡み目群がランク3または4の自由アーベル群である曲面絡み目の無限個の例を挙げたが、それは3重絡み数という、成分数が3以上の曲面絡み目に対して定義される不変量を計算することによって示すことができた。
今回は成分数が2である場合なのでこのままでは3重絡み数は計算できないが、 曲面絡み目上の2次元ブレイドを考えることによって3重絡み数が計算でき、上記の結果が示せることを説明する。

日時:2013年6月14日(金)13:00-14:30
場所:学習院大学南4号館203号室
講演者:安部哲哉(東工大・学振PD)
タイトル:アニュラスツイストを用いたスライス結び目の構成
アブストラクト:
アニュラスツイストは(与えられたアニュラスに沿って)結び目を変形する 操作であり、ある種の3次元多様体や4次元多様体を構成するために 用いられてきた。
この講演では、アニュラスツイストを用いてスライス結び目を構成する 方法を紹介する。
この研究は、筑波大学の丹下基生氏との共同研究である。
参考url: http://arxiv.org/abs/1305.7492

日時:2013年5月31日(金)13:00-14:30
場所:学習院大学南4号館203号室
講演者:古川遼(東大数理)
タイトル:標準 5 次元球面への 3 次元接触多様体の接触埋め込み
アブストラクト:
標準接触構造の入った5次元球面へ、どの閉3次元接触多様体が接触埋め込み 可能かを考えます。接触埋め込みのための障害は、接触構造のChern類に関する ものしか知られていません。一方、実際接触埋め込み可能である例も複素曲面 特異点のリンクを除くとほとんど知られていません。本講演では、森淳秀氏が 球面の場合に用いた方法を応用して、円周上のトーラス束やレンズ空間上の 接触構造の埋め込みを系統的に構成する方法を紹介します。その構成法で、 ある複素曲面特異点のリンクと接触同値なものが自然に現れる一方、新たな接触 埋め込みも多数構成できることを説明します。

日時:2013年4月26日(金)13:00-14:30
場所:学習院大学南4号館203号室
講演者:岡睦雄(東京理科大学)
タイトル:混合曲線の交差理論 (Intersection Theory on Mixed Curves)
アブストラクト (pdf)
We consider two mixed curve $C, C' \subset \mathbb{C}^2$ which are defined by mixed functions of two variables $\mathbf{z} = (z_1, z_2)$. We have shown in our previu paper that they have canonical orientations. If $C$ and $C$' are smooth and intersect transversely at P, the intersection number $I_{top}(C, C'; P)$ is topologically defined. We will generalize this definition to the case when the intersection is not necessarily transversal or either $C$ or $C'$ may be singular at $P$ using the defining mixed polynomials.

日時:2013年4月12日(金)13:30-14:30
場所:学習院大学南4号館203号室
講演者:田中心(東京学芸大学)
タイトル:ブランチ点を持たない球面結び目図式とラック彩色数について
アブストラクト:
曲面結び目の図式に対して, ラック彩色数が一般には不変量でないことは良く知られ ている. その原因の一つとして, ラック演算とブランチ点の相性の悪さが挙げられる. それでは, ブランチ点を持たな い図式に制限すれば不変量が得られるのかといえば, 一般にはそれも成り立たない. 例えば, 種数1の曲面結び目図式で, そのような例を 簡単に構成することができる. しかし, ブランチ点を持たない球面結び目図式に限れば, ラック彩色数が不変量になっている ことが分かったので, そのことを報告する. 本研究は, 大城佳奈子氏(上智大学)との共同研究である.

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