学習院大学トポロジーセミナー (Topology Seminar, Gakushuin University)


過去のセミナー記録
2017年度のセミナー
(※※世話人:中村伊南沙)

今後のセミナー予定
日時:2018年2月16日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館204号室
講演者: 岩切雅英(佐賀大学)
講演題目: 曲面結び目のチャート表示とカンドルコサイクル不変量
アブストラクト:曲面結び目はチャート表示と呼ばれる円盤状のグラフとしてあらわすことができる。 本講演では、チャート表示の幾何的な情報や位数についてカンドルコサイクル不変量を用いて得られる結果を まとめて紹介する。


日時:2018年2月9日(金)13:30-15:30
場所: 東京大学数理科学棟511号室
講演者: 岡睦雄 (東京理科大学)
講演題目: Smooth mixed projective curves and a conjecture
アブストラクト:Let $f(\bf{z},\bar{\bf{z}})$ be a strongly mixed homogeneous polynomial of $3$ variables $\bf{z}=(z_1,z_2,z_3)$ of polar degree $q$ with an isolated singularity at the origin. It defines a smooth Riemann surface $C$ in the complex projective space $\mathbb P^{2}$. The fundamental group of the complement $\mathbb P^2\setminus C$ is a cyclic group of order $q$ if $f$ is a homogeneous polynomial without $\bar{\bf{z}}$. We propose a conjecture that this may be even true for mixed homogeneous polynomials by giving several supporting examples.


日時:2018年1月19日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館204号室
講演者: 河村建吾(大阪市立大学)
講演題目: はめ込み球面結び目の3重点数について
アブストラクト:曲面結び目の3重点数は古典的結び目の交点数の類似として知られている.一般に3重点数を決定および評価することは容易ではない.佐藤進氏(神戸大学)は3重点数が1,2または3となる埋め込み球面結び目が存在しないことを証明した.本講演では自己交差点を1個持つはめ込み球面結び目についても同様な結果が成り立つことを紹介する.


日時:2017年12月15日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館204号室
講演者: 佐藤正寿(東京電機大学)
講演題目: 種数3のハンドル体写像類群のホモロジー群について
アブストラクト:種数2の3次元ハンドル体の写像類群はKramerにより構成されたtreeに作用し、 これにより2つの部分群の融合積として表すことができる。 さらに、一般種数のハンドル体写像類群はハンドル体内に埋め込まれた円板の なす複体に作用する。また、McCulloughによりこの複体が可縮であることが示されている。 本講演では、この作用の同変ホモロジーを介して得られた、 種数3のハンドル体写像類群のホモロジー群の計算について紹介する。


日時:2017年12月8日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館204号室
講演者: 加藤直樹(中京大学)
講演題目:Classification of solvable Lie flows of codimension 3
アブストラクト:Ghysはベキ零リー環を横断構造にもつ1次元葉層構造は全て等質であるということを示した. 可解リー環の場合にも同様の結果が成り立つということが期待されている.
本講演では, リー環を横断構造にもつ葉層構造の基本的な定義・性質の概説と, 可解リー環を横断構造にもつ1次元葉層構造の等質性について, 知られている結果(リー環の次元が2の場合)と新しく得られた結果(リー環の次元が3の場合)の解説をする.


日時:2017年7月14日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館204号室
講演者: 折田龍馬(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
講演題目: フレアー・ノビコフ理論と非可縮周期軌道
アブストラクト:
本講演では、閉シンプレクティック多様体上のハミルトン力学系における非可縮な周期軌道を扱う。 具体的には、閉シンプレクティック多様体がasphericalなシンプレクティック形式を持ち、かつ基本群がアーベル群に「近い」性質を持つとき、非可縮周期軌道を少なくとも1つ持つ任意のハミルトン・イソトピーは、無限に多くの非可縮周期軌道を持つことを示す。その証明にはフレアー・ノビコフホモロジーを用いるため、その定義の概要についても述べる。


日時:2017年7月7日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館204号室
講演者: 佐藤玄基(東京大学大学院数理科学研究科)
講演題目:Kan's horn-filling property in homotopy type theory
アブストラクト:
Homotopy type theory (HoTT) is relatively recently found connection between homotopy theory and type theory. Type theory is an important kind of formal theory studied in mathematical computer science and logic, with which homotopy theory provides a good interpretation called HoTT. On the other hand, HoTT may be seen from the homotopy-theoretic point of view as a formal language of synthetic homotopy theory. Awodey-Warren and Voevodsky found the relationship between the two theories. Voevodsky also proposed HoTT as a new foundation of mathematics, which he calls the Univalent Foundation.
In this talk, the speaker gives a brief introduction of HoTT, and presents a result of his on it. The speaker re-interpreted Kan's horn-filling property, which simplicial and cubical sets require to be a Kan fibrant object, as a proposition internal to HoTT, and proved it. The result was achieved by utilizing combinatorial meta-argument. He also suggests a conjectural application of this result, in which the homotopy groups of finite simplicial complexes may probably be proven to be computable in HoTT.


日時:2017年5月19日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館204号室
講演者: 河井公大朗(学習院大学)
講演題目:Fr\"olicher-Nijenhuis bracket and cohomology on G2- and Spin(7)-manifolds
アブストラクト:
リーマン多様体の「曲がり方」を調べる方法のひとつに、ホロノミー群がある。自然な仮定のもと、取りうるホロノミー群はBergerによりSO(n), U(n), SU(n), Sp(n)Sp(1), Sp(n), G2, Spin(7)のいずれかであることがわかっている。
講演者は特にG2, Spin(7)の場合に興味を持っている。Lie群G2, Spin(7)はSU(n)との間に包含関係があるので、ホロノミー群がG2, Spin(7)の幾何学はカラビ・ヤウの幾何学(ホロノミー群がSU(n))とも密接に関係している。
その一方でG2, Spin(7)の幾何は、カラビ・ヤウの場合ほどは研究が発展しておらず、複素幾何ではよく知られた結果も対応物がない。そこで本講演では"Fr\"olicher-Nijenhuis bracket"を用いると、いくつかの複素幾何の概念がG2, Spin(7)幾何へ拡張できるということについて概説する。特に、複素幾何における
(1) Nijenhuis テンソルによる概複素構造の可積分性の判定条件
(2) $d^c$ コホモロジー
の一般化について概説する。 本研究はH. V. Le氏、L. Schwachhoefer氏との共同研究である。


日時:2017年4月21日(金)13:30-15:30
場所:学習院大学南4号館204号室
講演者:浅尾泰彦(東京大学大学院数理科学研究科)
講演題目: Loop homology of some global quotient orbifolds
アブストラクト:
位相空間$X$に対してその自由ループ空間とは$X$に値を持つ円周$S^{1}$上の連続関数全体がす空間$LX = Map(S^{1}, X)$のことでありループホモロジー群とはその特異ホモロジー群$H_{*}(LX)$のことを言う。1990年代にChas とSullivan は有向閉多様体のループホモロジー群にループ積と呼ばれる積構造を発見し、さらにBatalin-Vilkovisky 構造と呼ばれる豊かな代数構造が存在することを証明した。しかし具体的な空間に対してそのループホモロジー群やループ積構造を決定することは一般に難しく重要な課題と言える。また有向閉多様体を含むより広いクラスの空間に対してストリングトポロジーを展開する研究も多くされており、Lupercio, Uribe, Xicot'encatl による良いオービフォールドへの拡張はその一つである。有向閉多様体$M$を有限群$G$によるなめらかな作用で割って得られるオービフォールド$[M/G]$に対して、その自由ループ空間はボレル構成の自由ループ空間$Map(S^{1}, M\times_{G}EG)$として定義される。講演者はオービフォールド$[M/G]$のループホモロジー群が簡単に計算できるための十分条件を発見し修士論文としてまとめたのでその内容について紹介する。

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